主要なブラックジャックのバリエーション
ヨーロピアンブラックジャック (European Blackjack)
ヨーロッパのカジノで広くプレイされているバリエーションです。主な特徴は、ディーラーが最初に1枚のカード(アップカード)しか配られず、プレイヤーが全てのアクションを終えた後に2枚目のカード(ホールカード)を引く点です。これにより、ディーラーがブラックジャックであるかどうかがすぐに分からないため、プレイヤーはダブルダウンやスプリットの判断をより慎重に行う必要があります。
主なルール
- ディーラーは1枚のアップカードのみ。
- プレイヤーのアクション後にディーラーが2枚目を引く。
- スプリット後のダブルダウンは許可されない場合が多い。
- サレンダーは通常許可されない。
アトランティックシティブラックジャック (Atlantic City Blackjack)
アメリカのアトランティックシティのカジノで人気のあるバリエーションです。ヨーロピアンブラックジャックとは異なり、ディーラーは最初に2枚のカード(1枚はアップカード、もう1枚はホールカード)を配られます。ディーラーのアップカードがエースまたは10点札の場合、ディーラーはホールカードを確認し、ブラックジャックであればすぐにゲームを終了します。これにより、プレイヤーは無駄なダブルダウンやスプリットを避けることができます。
主なルール
- ディーラーは2枚のカードを最初に配られる(ホールカードあり)。
- ディーラーがブラックジャックの場合、すぐにゲーム終了。
- スプリット後のダブルダウンが許可される。
- レイトサレンダーが許可される。
スパニッシュ21 (Spanish 21)
通常のブラックジャックとは大きく異なるルールを持つバリエーションです。最も大きな特徴は、デックから10のカードが全て取り除かれている点です(ジャック、クイーン、キングは残ります)。これにより、プレイヤーがブラックジャックになる確率は下がりますが、その代わりに様々な有利なルールが追加されています。例えば、プレイヤーの21は常にディーラーの21に勝つ、特定の組み合わせでボーナス配当がある、などです。
主なルール
- 10のカードが全て取り除かれたデックを使用。
- プレイヤーの21は常にディーラーの21に勝つ。
- 特定の組み合わせでボーナス配当(例: 5枚の21、6枚の21など)。
- スプリット後のダブルダウンが許可される。
- サレンダー後のダブルダウンが許可される。
ダブルエクスポージャーブラックジャック (Double Exposure Blackjack)
ディーラーの2枚のカードが両方とも表向きに配られるという、非常に珍しいバリエーションです。これにより、プレイヤーはディーラーの手札を完全に把握した上で自分のアクションを決定できるため、非常に有利に見えます。しかし、この有利さを相殺するために、いくつかのプレイヤーに不利なルールが追加されています。例えば、ブラックジャックの配当が1:1になる、引き分けの場合にディーラーが勝つ、などです。
主なルール
- ディーラーのカードが両方とも表向き。
- ブラックジャックの配当が1:1。
- 引き分けの場合、ディーラーが勝つ。
- スプリット後のダブルダウンが制限される場合がある。
ブラックジャック スイッチ (Blackjack Switch)
プレイヤーが2つの手札を持ち、それぞれの2枚目のカードを交換できるというユニークなバリエーションです。これにより、プレイヤーはより有利な手札を作りやすくなります。この有利さを相殺するために、ディーラーが22でバストしない(プッシュになる)などのルールが追加されています。
主なルール
- プレイヤーは2つの手札を持つ。
- それぞれの2枚目のカードを交換できる。
- ディーラーが22でバストしない(プッシュになる)。
- ブラックジャックの配当が1:1。
バリエーションによる戦略の違い
ブラックジャックのバリエーションごとにルールが異なるため、最適なベーシックストラテジーも変化します。各バリエーションのルールを理解し、それに応じた戦略を適用することが、勝率を最大化するための鍵となります。
ディーラーのホールカードの有無
ヨーロピアンブラックジャックのようにディーラーがホールカードを持たない場合、プレイヤーはディーラーがブラックジャックである可能性を考慮せずにダブルダウンやスプリットを行うことになります。これにより、ディーラーがブラックジャックだった場合に、プレイヤーは余分な賭け金を失うリスクがあります。アトランティックシティブラックジャックのようにホールカードがある場合は、このリスクを回避できます。
スプリット後のダブルダウンの可否
スプリットした手札に対してダブルダウンが許可されるかどうかは、ハウスエッジに大きな影響を与えます。許可される場合はプレイヤーに有利であり、特に有利な状況では積極的に利用すべき戦略となります。
サレンダーの有無
サレンダーが許可されている場合、プレイヤーは非常に不利な手札(例: 16対ディーラーの10)で全損を避けることができます。これはプレイヤーにとって有利なルールであり、ベーシックストラテジーにも影響を与えます。
デックの数と10のカードの有無
使用されるデックの数が多いほど、カードカウンティングは難しくなります。また、スパニッシュ21のように10のカードが取り除かれている場合は、カードの構成が大きく変わるため、ベーシックストラテジーも根本的に変更する必要があります。
ブラックジャックの配当
通常のブラックジャックの配当は3:2ですが、一部のバリエーションでは6:5や1:1に設定されている場合があります。配当が低いほどプレイヤーに不利になるため、このようなテーブルは避けるべきです。