基本的な数学的優位性の違い
ハウスエッジ(カジノ有利性)
- シングルデッキ: 0.02% (プレイヤー超有利)
- 6デッキシュー: 0.54% (カジノ有利)
- 差額: 0.52% (この差は長期的に巨大な影響をもたらす)
プレイヤー期待値
- シングルデッキ: +0.02% (100円賭けて100.02円戻る)
- 6デッキシュー: -0.54% (100円賭けて99.46円戻る)
ナチュラルブラックジャック確率
発生確率の違い
- シングルデッキ: 4.82% (約20.7回に1回)
- 6デッキシュー: 4.74% (約21.1回に1回)
- 差: 0.08% (年間数千ハンドで大きな差)
数学的計算
シングルデッキ: (4×16)/(52×51) × 2 = 128/2652 ≈ 4.82%
6デッキシュー: (24×96)/(312×311) × 2 = 4608/97264 ≈ 4.74%
重要な戦略的判断の確率比較
プレイヤー16 vs ディーラー10
最も重要な戦略的判断の一つ:
ヒット時のバースト確率:
- シングルデッキ: 61.5% (残り10価値カードの影響で微妙に変動)
- 6デッキシュー: 61.9% (より安定した確率)
スタンド時のディーラー勝利確率:
- シングルデッキ: 77.2%
- 6デッキシュー: 77.0%
期待値比較:
- シングルデッキでのヒット: -0.54
- シングルデッキでのスタンド: -0.51 (僅差でスタンド有利)
- 6デッキでのヒット: -0.54
- 6デッキでのスタンド: -0.54 (ほぼ同等)
プレイヤー11 vs ディーラー6 (ダブルダウン判断)
10価値カード取得確率:
- シングルデッキ: 32.6% (6とディーラーカードが出た後)
- 6デッキシュー: 30.7%
ダブルダウン期待値:
- シングルデッキ: +0.77
- 6デッキシュー: +0.74
プレイヤー11 vs ディーラーA
ダブルダウン vs ヒット判断:
- シングルデッキ: ダブルダウン期待値 +0.19 (ダブルダウン推奨)
- 6デッキシュー: ダブルダウン期待値 +0.11 (ヒット推奨)
これは戦略そのものが変わる重要な違いです。
ペア分割戦略の確率的違い
A-A vs ディーラー10
- シングルデッキ: スプリット期待値 +0.08
- 6デッキシュー: スプリット期待値 +0.05
8-8 vs ディーラー10
- シングルデッキ: スプリット期待値 -0.45
- 6デッキシュー: スプリット期待値 -0.48
(どちらもスプリット推奨だが、シングルデッキの方がマシ)
9-9 vs ディーラー7
- シングルデッキ: スプリット期待値 +0.31
- 6デッキシュー: スプリット期待値 +0.28
ソフトハンド戦略の違い
A-7 (ソフト18) vs ディーラー6
ダブルダウン vs スタンド:
- シングルデッキ: ダブルダウン期待値 +0.46 (強くダブルダウン推奨)
- 6デッキシュー: ダブルダウン期待値 +0.39 (ダブルダウン推奨だが弱い)
A-6 (ソフト17) vs ディーラー3
- シングルデッキ: ダブルダウン期待値 +0.12
- 6デッキシュー: ヒット期待値 +0.08 (戦略変更)
カードカウンティングの数学的違い
Hi-Lo システムでの効果
ランニングカウント +6の場合:
トゥルーカウント計算:
- シングルデッキ: 6 ÷ 0.5デッキ残り = +12
- 6デッキシュー: 6 ÷ 3デッキ残り = +2
プレイヤー優位性:
- シングルデッキ: +3.0% (大幅有利)
- 6デッキシュー: +0.5% (微有利)
ベット変動の効果
トゥルーカウント +3での推奨ベット:
- シングルデッキ: 基本ベットの8倍
- 6デッキシュー: 基本ベットの4倍
特定状況での戦略変更例
インシュアランス判断
有利になるトゥルーカウント:
- シングルデッキ: +3以上 (頻繁に到達)
- 6デッキシュー: +3以上 (稀に到達)
インシュアランス期待値(トゥルーカウント +3時):
- シングルデッキ: +0.12
- 6デッキシュー: +0.08
サレンダー戦略
16 vs 10でのサレンダー判断:
- シングルデッキ: トゥルーカウント +1以上でサレンダー
- 6デッキシュー: トゥルーカウント 0以上でサレンダー
実戦でのベット戦略
推奨ベット変動幅
カウンティング使用時:
- シングルデッキ: 1-8単位 (800%変動)
- 6デッキシュー: 1-12単位 (1200%変動、より大きなバンクロール必要)
時間当たりの期待利益
スキルレベル別(1時間、$10基本ベット):
基本戦略のみ:
- シングルデッキ: +$0.12/時間
- 6デッキシュー: -$3.24/時間
カードカウンティング併用:
- シングルデッキ: +$45-60/時間
- 6デッキシュー: +$15-25/時間
重要な戦略調整表
| 手札 | vs | シングルデッキ戦略 | 6デッキ戦略 | 期待値差 |
|---|---|---|---|---|
| 11 | A | ダブルダウン | ヒット | 0.08 |
| A-7 | 6 | ダブルダウン | ダブルダウン | 0.07 |
| A-6 | 3 | ダブルダウン | ヒット | 0.04 |
| 9-9 | 7 | スプリット | スプリット | 0.03 |
| 16 | 10 | スタンド* | ヒット | 0.03 |
*カウント状況による
カジノ側の対策とその影響
ペネトレーション(配布率)の違い
- シングルデッキ: 通常70-80%配布
- 6デッキシュー: 通常75-85%配布
ブラックジャック配当の違い
- シングルデッキ: 6:5配当が多い (ハウスエッジ+1.39%)
- 6デッキシュー: 3:2配当が標準
実質的なハウスエッジ:
- シングルデッキ(6:5): 約1.41%
- 6デッキシュー(3:2): 約0.54%
結果: 配当条件により6デッキの方が有利になることがある
バンクロール管理の違い
必要資金計算 (1000ハンド、$10基本ベット)
基本戦略プレイヤー:
- シングルデッキ: $500-800必要
- 6デッキシュー: $800-1200必要
カードカウンター:
- シングルデッキ: $2000-4000必要
- 6デッキシュー: $5000-8000必要
実戦における注意点
シングルデッキの落とし穴
- 高い監視レベル: カウンティングが容易なため、カジノの監視が厳しい
- 6:5配当: 有利性を相殺する配当率
- 頻繁なシャッフル: 短いペネトレーション
6デッキの利点
- 安定したプレイ: 確率が安定している
- 3:2標準配当: 適切な配当率
- 監視レベル: 相対的に低い
結論:最適な戦略選択
数学的結論
- 純粋なハウスエッジ: シングルデッキが圧倒的有利
- 実際のカジノ条件: 6デッキが現実的に有利な場合が多い
- カードカウンティング: シングルデッキで効果絶大、6デッキで中程度効果
推奨プレイ方針
- シングルデッキ: 3:2配当確認必須、カウンティングスキル前提
- 6デッキシュー: 基本戦略完璧化、適度なカウンティング併用
重要: 0.02% < 0.54% という数式は理論値であり、実際のカジノでは配当率やルールの違いが最終的な有利性を決定する。